てんかん防止実践研究会

目 次

序 章
第1章  てんかんは脳の「障害」ではない
第2章  てんかんは脳内の静電気現象である 
第3章  脳にヒダヒダ(シワ)がある理由
第4章  脳髄液が重要な役割を担っている
第5章  てんかんの真相(脳帯電仮説)
第6章  脳帯電を防ぐ方法

序 章
私は20年前に「アトピー解決篇」という本を書きました。中学生になる息子がアトピー性皮膚炎がひどくなったので、何とか助けたいといろいろと試行錯誤した結果を書いた本です。当時の医療は(今でもですが)、「アトピーは体質によるものだから、この薬を塗れば良い」というものでした。しかし私は「急に増える病気は体質や遺伝ではなく、環境病だ。環境を改善すれば良くなる」と考え、浴用水道水の塩素を避け、合成洗剤を避け、十分なミネラルを摂取し、薬に依存するのをやめるようにと書きました。本を読んだお母さんたちから、その通りにしたら良くなりました、と言って写真が送られてきました。

当時も今も皮膚科のアトピー定義は次のようになっています。
定義1 アトピー性皮膚炎はアトピー素因を持つ者に起こる皮膚炎である
定義2 アトピー素因とはアトピー性皮膚炎を起こしやすい素因である
は?? これでは何のことか分かりませんが、医療界はこういう定義で通っています。
最近、たまたまアマゾンの書評欄を見ていたら、次のような投稿を見つけました。

投稿日2017年1月26日。「アトピー解決篇」との出会いに感謝です。長男は現在27歳。生後3ヶ月には『かなり重症のアトピー性皮膚炎ですね』と小児科の先生に言われました。今の様に、アトピーが生活習慣病の1種だと知られておらず、体質だと半ば諦めていた頃に、この本に巡り会いました。先の見えないステロイド治療に、親子共々に心が折れそうな頃でした。当時、小学4年生だった長男と担任の先生に、この本の内容を話して理解してもらい、学校を3ヶ月休ませて、脱ステロイドに踏み切りました。あまりにも激しいリバウンド現象に不安と葛藤、周りからの好奇の目に心折れそうな日々でした。しかし、この本に書かれてある事を理解し納得した上で、最後まで信じ切る事で乗り切れました。著書に記されている様に最初の1ヶ月が1番苦しかったですが、3ヶ月で綺麗な皮膚へと生まれ変わり体力も付いて来て、嘘の様に元気になって、二学期はハツラツとして学校へと復帰して行きました。その後も、著書に書かれてある事を参考にしながら、衣食住のあらゆる面で改善を図り、補足的にサプリメント、スキンケア用品、空気清浄機、洗濯洗剤など……その時の体調を見ながら、試行錯誤の毎日でした。そんな長男も17年たった今は、東京で1人暮らしをして働きながら、何とか自立して頑張っています。

この方が私の本を読んでから17年後の投稿です。私はこの方を存じ上げませんが、小4のお子さんに良く言い聞かせて、ご家族で頑張って来られたことに感心します。また、お子さんが立派に成人されたことを嬉しく思います。合理的に対処することが大切です。

私は、アトピーについて何もないところから急にこういう考えを持ったわけではありません。当時、アトピー改善のために天然温泉水を宅配する事業者がいました。そして私の息子もそれを利用して良くなりました。なるほど、温泉の効能は素晴らしいな、と思っていましたが、ある時、これは温泉が効いているのではなく、日本の水道水が悪いのではないか、塩素が多すぎるのではないか、と思いつきました。そこからいろいろと考えて書いた本です。

ここでご紹介するてんかんについての新しい考えも、「ある方法」(後述)で実際にてんかんが良くなった例が4例あったことが出発点です。私は学生の頃、物理学を学びました。物理学の世界では、それまでの理論では説明できない現象があると、理論そのものが書き換えられます。天動説が地動説に変わり、古典力学が量子力学に変わったようにです。「ある方法」でてんかんが良くなった事実が複数あることは、これまでの医療界のてんかん理論では説明できません。事実が間違っていることはありませんから、変えられるべきは理論の方です。

私は事実から出発して、てんかんのメカニズムを考え、てんかん改善法を考えました。この方法は2021年の5月からインターネットで公開しており、すでに100名以上の方が実践を始めておられます。開始してまだ半年足らずですが、少しずつ良い結果が出ています。てんかんで困っている方やご家族には役に立つ情報です。少し長いので、URLを保存して何度かに分けてお読みください。

第1章  てんかんは脳の「障害」ではない

てんかんは自然現象である
日本脳神経外科学会のサイトに以下の記述があります。

いまコロナが大変ですが、日本のコロナ感染者数はこれまで累計で170万人です。ですから、てんかんの人が100万人もいるとは、かなり多いと言えます。
てんかんにはもう一つ大きな特徴があります。それは発生率がほぼ一定だということです。歴史的にも、人種・地域的にも、ほぼ1%ということのようです。しかも人間だけでなく犬や猫にも起こります。他の病気は生活環境によって発生率が変動します。たとえば最近はがんが増えたとか、脳梗塞が増えたなどです。そういう変動がないということは、てんかんが確率的に起きるシンプルな自然現象であることを示唆しています。てんかんは神経中枢で生じるので大ごとになりますが、100人に1人くらいに起きるシンプルな自然現象だと思われます。
てんかん素因は実在しない
現代医療は「てんかんは素因による脳の障害である」と定義しています。
下図は2014年に日本てんかん学会が、国際てんかん連盟の定義を翻訳したもので、これがそのまま日本の医療のてんかんの定義になっています。

てんかんは、「持続性素因を特徴とする脳の障害」だと書かれています。しかしこの定義は間違っています。つまり現代のてんかん医療は第一歩目から間違っています。
「素因」とは、原因が分からないときに医療者たちが好んで使う言葉です。しかし「てんかん素因」が何かを説明できる人はいませんし、「てんかん素因」を見た人もいません。ですから「素因論」ではてんかん問題は解決できません。これは、アトピー素因論ではアトピー問題を解決できなかったのと同じです。てんかんでお困りの方々やご家族は、「どうしてうちの子がてんかんになるのですか?」「元々の素因ですよ」という説明に、釈然としないまま、医療者の言うことだからと納得せざるを得ずにいます。しかしてんかんは「素因」によるものではありません。「てんかん素因」とは医療者の頭の中にだけ存在する想像というか「後出しジャンケン」に過ぎないのです。
てんかんは脳の「障害」ではない
国際てんかん連盟の原文は a disorder of the brain となっています。disorderという言葉の構造から見れば order(秩序)からdis(外れ)ているということですから、そのまま訳せば「脳の不調」とか「脳の乱れ」となります。これを脳の「障害」という日本語にしたのは日本てんかん学会です。ちなみに「脳の障害」をグーグル翻訳して英語に戻すと brain damage と出て来ます。そして brain damage をグーグルで日本語にすると 脳の障害 となります。
このあたりは日本人と欧米人との言語感覚の違いで微妙なところですが、一般的に日本人は、脳の「障害」と言われれば、脳細胞や脳神経に損傷があると理解します。ですからてんかんでお困りの方々やご家族は、「これは脳の障害です」と医療者から宣告されて、自分の脳には損傷があるのだと理解しているわけです。

しかし実は、てんかんはそういう意味での脳の「障害」ではありません。てんかんは、脳で発作が起き、けいれんしたり、ぼーっとしたりしますから、脳の病気ではあります。しかし脳自体にそういう意味での「障害」があるわけではありません。
症候性てんかんと特発性てんかん
下図は「epiサポ」というサイトで紹介されている、てんかんの原因です。(てんかん=epilepsy)

左側の円グラフで見られるように、てんかんの35%は、脳の病気やケガがキッカケで起きます。それを「症候性てんかん」と言います。症候性てんかんには確かに、それらの症候によって生じている脳の「障害」があると思われます。
さて、「症候性てんかん」というものが存在する事実は、てんかんの本質を示唆しています。脳の強い打撲や、脳血管の破れや詰まりでてんかんが生じるという事実は、てんかんが、精神的に生じているのではなく、遺伝子レベルで生じているのでもなく、何らかの生化学的変化によって生じているのでもなく、脳内の何らかの物理的な変化、流体力学的な変化によって生じていることを示唆しています。

しかし一方、65%は特別な原因が見つかりません。脳の「障害」がないのです。それを「特発性てんかん」と言います。この円グラフには症候性の中に「素因性」が8%あり、それは「特発性」ではないわけですが、では「素因性」と「特発性」との違いは何か。ここには記述がありませんから不明です。
右側のグラフは症候性てんかんの年代別の症候です。子供は「素因」(青緑)が多く、壮年期は外傷(ピンク)が多く、老年期は脳血管障害(茶)が多くなっています。

インターネットにてんかんの人々が体験を語っている動画がいくつかあります。それを見ると、多くの人は発作が起きていない時はごく正常であり、むしろ聡明です。初めての発作は、小学校の体育の時間に突然発作が起きて、気がついたら保健室だったとか、高校時代に自転車通学していて、突然記憶が断絶して、気がついたら救急車の中だった、などの体験談が語られています。そういう人たちは、それまではまったく正常でしたし、最初の発作が起きた後の人生においても、発作が起きていない時はまったく正常です。もし脳の「障害」であれば、「発作が起きていない時は正常」ということはないはずです。ですから、てんかんの少なくとも65%の、原因不明の「特発性てんかん」においては、脳の「障害」はないと言えます。

たしかにてんかんは脳に障害があって起こることがあります。しかし、脳に障害がなくても起こることがあり、障害があっても起こらないことがあります。ですからてんかんは脳の「障害」とは別の独立した事象だと考えるべきです。その意味で「てんかんは脳の障害である」という定義は不正確です。そして独立事象であれば、何らかの病気で「症候性てんかん」が生じていて、その「症候」自体が治らない場合でも、てんかん発作だけを解消できる可能性があることになります。

第2章 てんかんは脳内の静電気現象である

発作前に大脳が過剰に興奮することはない
下図は日本神経学会の「てんかん診療ガイドライン2018」の冒頭です。

てんかんが起きている瞬間に脳波を測定すると下図のようになっています(出典epiサポ)。脳波とは頭に電極をつけて測定される、脳から出ている電気信号です。実際の脳波はもっと複雑ですが、この図はそれを分かりやすく簡素化したものです。


上図のように、てんかん発作が起きている時は脳から強い電気信号が発射されています。それを「てんかん発射 epileptic launch」と言ったり「てんかん放電 epileptic firing」と言ったりします。
日本神経学会の記述では、その放電は「脳の神経細胞が過剰に興奮するために」生じているということで、これは因果関係、あるいは時系列を述べています。しかし実際は、先述の体験談に見られるように、発作のほとんどは予兆なく突然起きていて、発作前に脳が過剰に興奮していることを、本人が自覚したり、周囲が気づいたりしたことはありません。すなわち、「脳が過剰に興奮して」→「脳内で放電が起きる」というプロセスは実在していません。
また、興奮したら電気が発生するかというと、人体の中には「興奮すると大電流を生み出す」という器官はありません。電気ウナギとは違います。

電気ウナギは体の半分以上が電池になっていて、獲物を見つけたり敵に襲われたりして興奮すると、体内で高電圧を作り出し、周囲に大電流を流すことができます。しかし人間はそういう器官を持っていません。興奮したからといって急に脳内で「てんかん放電」のような大放電を起こすことはできません。
というわけで、てんかん発作の前に脳が興奮することははなく、たとえ興奮しても急に電気は作れません。ですから日本神経学会の説明は間違いです。
発電ではなく静電気
では「てんかん放電」はどのように生成されるのか。それはおそらく発電ではなく、静電気だと思われます。下図は科学館などで人気の展示で、ヴァンデグラーフ起電機(ヴァンデグラーフは発明者の名前)と呼ばれる装置に子供が触れている様子です。

この起電機では、下部で摩擦電気を発生させ、それをベルトコンベアーで少しずつ上に送って、だんだん金属球に貯める(帯電させる)仕掛けになっています。その金属球に触れた子供の体を電気が走っています。冬になるとドアノブなどで、バチッと静電気が走ります。体や衣服がこすれて摩擦電気が発生して、だんだん体が帯電し、それがドアノブに触れた瞬間に放電されるのです。これが静電気の放電です。
発電による放電と静電気による放電との違いは、発電による放電は瞬間的に生じ得るのに対し、静電気による放電は帯電時間が必要だということです。ヴァンデグラーフ起電機では、前の子が触れたあとすぐに他の子が金属球に触れても、放電は起こりません。まだ電気が溜まっていないからです。てんかんの放電現象も連続では起こらず、間欠的に発生しています。脳は電気信号をやりとりしていますから、脳が活動しているとだんだん脳に電気が溜まり、それが限界に達して放電が起きると考えられます。ちょうど下図の「ししおどし」のようなプロセスです。

第3章 脳にヒダヒダ(シワ)がある理由
賢い人は脳のヒダヒダ(シワ)が多いと良く言われます。脳のヒダヒダについて研究している金沢大学医学部の河崎教授は次のように言っています。


大脳の表面にシワがある理由は、大脳表面の面積が増えて、神経細胞を増やすことができるからだそうです。河崎教授は脳の研究をするのに、ネズミでは知能が低すぎるのでイタチを使っています。下図は河崎教授による、ネズミの脳とイタチの脳の写真です


ネズミの脳にはほとんどヒダヒダがありませんが、イタチの脳にはあります。イタチの方が知能が高いことの現れです。
イヌとネコはどちらが知能が高いか、最新の研究で明らかになっています。

その研究では、脳の大きさや重さだけではなく、脳をすりつぶして脳神経細胞(ニューロン)の数を数えました。その結果、イヌの脳神経細胞の数は5億3千万個で、ネコは2億5千万個だったということです。脳の大きさを補正しても、イヌの脳神経細胞の数はネコよりもかなり多いのです。上の絵で脳のヒダヒダの数も違うことが見てとれます。イヌの方がかなり知能が高いわけです。これは盲導犬や警察犬や猟犬などの社会的活動が、ネコにはできないことからも明らかです。ネコに出来るのは駅長さんくらいで、ネコ派の人には残念ですが、猫の脳には社会的知性を持つほどの容量はないと思われます。ちなみに人間の脳神経細胞は160億個あるそうです。

このように、知能の高い動物ほど脳の神経細胞の数が多く、また脳のヒダヒダの数も多いのです。「賢い人は脳のシワが多い」というのはあながちウソではないようです。
イヌもてんかんを起こします。下図は、てんかんを起こしているイヌを、ともだちのイヌが介抱しているところです。

そして、イヌのてんかん発生率は猫の2倍以上だそうです。

さて、河崎教授の説明を図示すると下図のようになっています。


脳回と脳溝と脳神経細胞とはこのように配置されています。そして脳全体は脳髄液に囲まれ、頭蓋骨の中に納まっています。

河崎教授は「多小脳回症」という病気を研究しています。そのまま読んでも分からない名称ですが、遺伝子の異常で、生まれつき、小さな脳回がたくさん出来てしまう病気です。分解すると「多・小脳回・症」ということで、専門外の人でも分かるようにするには「小脳回多現症」とでも言うべきでしょう。
「多小脳回症」について調べてみると、日本医療研究開発機構のサイトに次の記述があります。

小さい脳回がたくさん出来て、それらが不規則に融合してしまうのだそうです。そうなると脳溝もうまく出来なかったり狭くなったりするでしょう。そして起きやすい疾患として「てんかん」と書かれています。これはてんかんのメカニズムを考察する上で重要な情報です。

ところで、河崎教授は「大脳の表面部分には神経細胞が多く集まっており」と書いています。
河崎教授はその理由を言っていませんが、これもまた、てんかんについて考察する上で参考になる事実です。脳神経細胞の数を増やすように動物が進化するとしても、脳神経細胞が脳の奥にもまんべんなく存在するなら、脳が大きくなればよいだけのことで、脳の表面積を増やす必要はありません。脳神経細胞が脳の表面にあることが、脳のヒダヒダで表面積を増やす最大の理由です。三段論法で言えば、

大前提 脳神経細胞は脳の表面に存在する
小前提 脳神経細胞は多い方がよい
結 論 ゆえに脳の表面積は大きい方がよい

という理屈です。
ではなぜ脳神経細胞は脳の表面にあるのか。それは脳神経細胞が十分に新陳代謝をして生きていくのに必要だからだと思われます。体には、単にじっと生きていれば良い、骨のような細胞もありますが、脳神経細胞はそれでは勤まりません。毎秒、毎分、すごいスピードで活動しています。ですから常に新しい栄養が供給され、発生した老廃物が除去される必要があります。酸素と栄養は血液から供給されますが、老廃物は脳髄液に捨てられます。脳髄液は脳の表面にありますから、脳神経細胞は脳の表面にいなければならないのです。

第4章 脳髄液が重要な役割を担っている
下図は2013年に米国のサイエンス誌に発表された論文です。

脳細胞は睡眠中に少し縮んで、脳の中にスキマが出来て、そのスキマに脳髄液が入り込み、脳で発生した老廃物を回収して捨てる、という循環があることが分かったのです。昼行性の動物(人間など)は、昼間活動していると脳で老廃物が発生します。それが夜に睡眠している間に、脳髄液によって除去されているというメカニズムが発見されたのです。
これは、脳のある動物は、人もイヌもネコも鳥も羊も、なぜ眠らなければならないのかという人類の長年の疑問に対する、画期的な答えになっています。眠らないと脳が動かなくなるのです。この研究の関心事は、アルツハイマーを引き起こす老廃物アミロイドベータの除去にありました。

この研究の成果を元にして2020年に、日本で一般向けに「脳を司る脳」という本が講談社ブルーバックスで出版され、2021年7月に講談社科学出版賞を受けました。

この本の概要を書籍紹介から引用してご紹介します。
脳は液体の中に浮かんでいる
脳は、頭蓋骨によって厳重に守られているが、さらにその中には液体が詰まっており、脳はその液体の中に浮いているような格好をしている。

この液体は「脳脊髄液」(あるいは脳髄液)と呼ばれている。脳髄液は頭蓋骨の中で常に流れており、循環したあと脳表にある血管に吸収され全身に戻っていく。脳髄液にはナトリウムやカリウムなどのイオンが溶け込んでおり、そのイオンバランスが脳の電気的活動の元になっている。
脳の”ゴミ”はどこへいくのか?
脳ではさまざまな老廃物が発生する。例えばアミロイドβと呼ばれる老廃物はアルツハイマー病と関連する。この脳の中の”ゴミ”はいったいどこへ運ばれていくのか。脳がどうやって老廃物を洗い流しているのかは、医学分野でも長年の謎だった。この謎を解く鍵は、脳髄液の流れにあったのである。
脳内の水が老廃物を流す
2012年、アメリカのロチェスター大学の研究グループが、脳髄液を標識することでその流れを可視化した。脳髄液が、脳の表面から脳の中へと続く太い血管の周囲に存在する空間に沿って、脳の組織の中に入っていくこと、そこで老廃物を受け取って、別の血管周囲腔を通って戻されることが明らかになった。つまり脳髄液の流れは、脳の老廃物を排泄する。そして実際、脳に注射したアミロイドβが、脳髄液の流れによって排出されることが実験で示されたのである。
眠っている間に、脳が掃除されている?
さらに同グループは、2013年、この仕組みが睡眠によって促進されることを明らかにした。マウスを用いた実験の結果、覚醒状態にあるマウスでは、標識した脳髄液が脳組織内に浸透する割合は低かったのに対して、睡眠をとっているマウスでは、脳髄液が脳組織内へ浸透する割合が高くなっていることが明らかとなった。
以上のことから、人間の脳では睡眠中に脳の中の老廃物を洗い流していることが示唆された。生物に睡眠が必要なのは、身体を休めるためと、脳の中の老廃物を除去するためだと思われる。

引用終わり

このように脳髄液は脳の老廃物を除去する役割をしています。このとき大切なのは脳髄液が脳のすきまに十分に入り込むことで、そのためにはしっかり睡眠を取ることです。

脳髄液は他にも大切なことをしています。それは脳で発生する熱を除去することです。脳は活動していると熱を発生しますから、冷やす必要があります。脳をうまく冷やせないと熱中症になってボーッとします。
下図は熱交換器などに使われるフィンチューブという部品です。パイプの周囲にフィン(羽根)がついていて、そのスキマに空気や水を送り込んで、パイプの中の水や油の熱を除去します。エアコンの中にはこれと似たような部品がたくさんあります。

脳を効率的に冷やすには、脳がこのようなフィンチューブ構造になっていると良く、そのため脳にはヒダヒダがあるのだと思われます。

また、脳は電気信号で動きますが、その電気は脳髄液の中のナトリウムやカリウムなどのイオン(電解質)の化学反応で作られて脳細胞に供給されているそうです。供給できるなら除去もできるわけで、脳髄液は脳にたまる電気を除去する仕事もしているはずです。電気用語で言えば「脳は脳髄液でアースされている」ということになります。

このように脳髄液は脳で発生する「老廃物」と「」と「電気」を除去する仕事をしていて、脳が正常な活動をするために重要な役割を果たしています。また、てんかんの人々の体験談では、睡眠不足だと発作が起きやすくなるそうで、その事実もこの研究と一致しています。

鍼灸、マッサージ、カイロ治療などの分野では脳髄液の重要性が言われていて、実際にその方法でてんかんが改善されている例もあるようです。


マッサージ程度では脳細胞自体が改善されるとも考えにくいので、脳髄液の流れが改善されていると思われます。
てんかん医療で脳髄液の検査が行われることもありますが、それは「てんかん」と「脳髄液自体の病気」とを区別するため、つまり「あなたのてんかんは、脳髄液とは無関係です」と言うために行われています。てんかんと脳髄液との関係を調べているわけではありません。
医療界全体として、脳髄液にはほとんど関心がないようです。国立がん研究センターのホームページに次の説明があります。

「水分含有量を調節し、形を保つ役割」だとは、まるで豆腐パックの中の水と同じ扱いです(豆腐の水は大切ですが)。まぁ、関心がないわけです。

これまで述べて来たことをランダムに列挙すると次のようになります。
①てんかんは脳の「障害」ではない
②てんかんは確率的に起きる自然現象である
③てんかん素因は実在しない
④てんかんの人には聡明な人が多い
⑤てんかんはケガや脳血管障害でも起きる
⑥ケガや血管障害は流体的な障害を起こす
⑦てんかんは間欠的に起きる
⑧てんかんは電気現象である
⑨人間は発電機ではない
⑩脳のヒダヒダが多い方がてんかんになりやすい
⑪犬のてんかんは猫の2倍ある
⑫脳の老廃物は脳髄液が除去する
⑬脳神経細胞の電気は脳髄液から供給される
⑭脳の老廃物除去には睡眠が大事である
⑮睡眠不足だとてんかんが起きやすくなる
⑯脳神経細胞は脳の表面にある
⑰多小脳回症はてんかんを起こしやすい
⑱ある方法でてんかんが良くなった事例がある
これらの事実の中で、がもっとも重みのある事実です。良くなった事例がなければ、そもそも発想が出て来ませんし、いくら考えても絵に描いた餅でしかないからです。

これらの事実を組み合わせて、次章で「てんかんの真相」を明らかにしましょう。てんかんがどういうものかが分かれば、効果的な対処法が見えて来ます。

第5章 てんかんの真相(脳帯電仮説) 

現在の医療側の説明を図にすると以下のようになっています。

青い部分が実際に見えていることです。病気やケガでてんかんが始まることがあり、脳内で放電が起きており、それによってさまざまな身体症状が出ています。黒い部分は医療者が想像していることです。てんかんの素因があることは確認されていませんし、発作が起きる前に脳が興奮していることも確認されていません。どちらも医療者たちの想像に過ぎません。

下図はその「想像の部分」について、本当はどうなっているか、吉岡の仮説を図示したものです。上半分に脳の構造を再掲しています。

青い部分は実際に見えていることで、黄色い部分は上述の事実を組み合わせて吉岡が推論したことです。

脳は成長、老化、病気、ケガなどによって変形します。乳幼児期や少年期には脳が急激に成長して変形します。1才くらいで歩き始める頃には、知能が発達して脳が活発になり、脳神経細胞の電気の流れが増えるので脳の帯電も起こりやすくなります。これらは自然なことなので、一時的に変調が起きても、多くはやがて正常に戻ります。しかし戻らないことがあります。老化の場合は脳が縮んで変形します。しかし一方で脳の活動も鈍くなるので、あまり激しい発作は起こりません。
脳の変形は脳回の変形をもたらすことがあります
すると脳溝がせまくなることがあります
すると脳溝での脳髄液の循環が悪くなります
脳は電気信号で動いており、その電気は脳髄液で作られて供給されています。電気は余裕を持って供給されているはずですから通常は余ります。余った電気は脳髄液によって除去されます。脳は脳髄液で接地(アース)されているわけです。その脳髄液の循環が悪くなれば、脳の接地が不良になります。
すると脳が帯電します
帯電量が過剰になると放電が起こります。脳内で小さな放電が起きても、身体に大きな影響が出るとは限りません。脳内の放電が身体的に大きな影響をもたらすのは、おそらく脳内である程度以上の放電が起きると、その周囲の脳神経細胞を一時的に停止させる仕組みが、脳内にあるためだと思われます。電気回路に何か不具合が起きた時、自動的に回路が遮断されるようなものです。動物には「擬死」(死んだふり)や「冬眠」という現象があります。ヘビに見込まれたカエルとか、クマの冬眠とか、干上がった泥の中で生きる魚とかがいます。そのとき脳はほぼ停止状態になります。脳には一時停止機能が内蔵されていると思われます。
ある範囲で脳神経細胞の作動が止まると、身体に異変が起きます。これがてんかん症状です。放電が脳のどの部位で起きるか、放電の大きさがどのくらいか、で身体症状はさまざまに変化します。放電は雷のようなもので、一瞬で起こり一瞬で消えます。しかし一時停止になっていた脳神経細胞が回復するには数分程度の時間がかかります。その時間が過ぎると身体症状は回復します。

これを簡素化すると下図のようになります。

現代医療はてんかんを原因別や症状別に分類します。その結果「原因数×症状数=てんかん数」となって、てんかんの種類がどんどん増えます。しかしてんかんの本質は、原因と症状を結ぶ結節点で生じているシンプルな自然現象です。脳のある生物はすべて、脳内でゆるやかに帯電と放電を繰り返しています。てんかんではそれが少し激しく起きるだけなのです。

てんかんは「脳帯電」と改称すべきである
日本神経学会のサイトに、てんかんについて「この病気は紀元前から知られており、かつては憑き物に取りつかれて生じる病気と信じられていたため、いまだに多くの偏見や誤解があります」という記述があります。また、山口大学医学部脳神経外科のサイトには次の記述があります。

このような偏見も誤解も、現代医療がいつまでも江戸時代のように、癲(気が違う)と言い、癇(ひきつけ)と呼ぶことで生じています。東北大学のサイトに次の記述があります。

「てんかん科」が脳神経科から独立して看板を掲げたのは、日本では東北大学が最初だということで、この教授は自信満々のようです。しかしその時すでに「てんかん」の名は避けたほうが良いという意見があったわけです。「患者さんが嫌がるんじゃないか」という奥さんの心配は至極もっともで、他人から「気違い」と言われて喜ぶ人はいませんし、ましてやそれは事実ではなく、江戸時代の迷信でしかないのですから、そう呼ばれた人はくやしい思いをします。
NHKの相談コーナーに次の投稿があります。

自分の子を癲(気違い)と呼ばれて母親がくやしい思いを語っています。それに対して「患者団体」は、漢字をひらがなに変えるように社会を動かしたと言っています。

大切なのは「事実」です。昔は外見から「中風」とか「卒中」と呼んだ病気も、その人の脳の中で何が起きているかが分かった現代では、脳出血、脳梗塞と呼びます。それと同じことで、昔は「憑き物」とか「気が違った」としか見えなかった現象も、現代医学では脳波を見ることができ、脳内で放電が起きていることが確認されているのですから、そのまま「脳放電」と呼べば良いことです。犬にも猫にも起きるシンプルな現象です。それを医療者たちがいつまでも癲(気違い)と呼ぶことで、誤解や偏見が生み出されています。
さて、しかし実は、呼称問題の本質はそこではありません。世界中の医療者たちが日常的に、癲と言い、epilepsy(とりつかれた)と呼ぶことで、無意識的に真の科学的探求から遠ざかってしまっているのです。自ら目を閉ざし、丸太のようなものだ、ウチワのようなものだ、太鼓のようなものだと「群盲象をなでる研究」は多々あっても、原因にせまろうとする研究はありません。脳髄液に対する完全な無関心がそのあらわれです。脳で起きている事象を、脳出血、脳梗塞、脳腫瘍、脳震盪、脳放電、と普通に呼べば、世間に偏見も誤解も生じませんし、医療者たちの潜在意識が事実に直面するようになり、おのずと科学的探求も進むでしょう。
ただし放電は物理現象に過ぎず、物理現象だけを止めることはできません。その背後には脳の帯電があり、治療の対象は「脳の帯電」です。したがって、脳の帯電が科学的に確認できた段階で、病名を「脳帯電」に改称するのが適切です。英語なら Brain with static residue か?

脳帯電を防ぐポイント
現代医療は、放電の影響が脳内に伝わるスピードを遅らせようとして、薬で脳神経伝達物質の組成を変えて、脳の活動そのものを抑制します。それが脳の発達や働きを阻害することは医療者も知っています。典型的な副作用は「眠くなる」ことです。あるいは手術で、放電が起きている部分を切除したり、左右の脳を切断したりします。当面の切実な要求に応える方法ではあるのでしょうが、かつてのロボトミー手術を想起させます。
真の治療は脳の帯電を防ぐことです。そのためには脳髄液と脳のヒダヒダとの接触を良くして、脳をアースすることです。何らかの方法で脳髄液が脳溝の狭窄部にも入り込めるように出来れば、脳帯電の発生率は現在の1%から、0.5%くらいに半減するでしょう(下図)。

そんなに簡単に半分になるか? 逆から見てみましょう。脳帯電が生じない人が現在99%います。それが少しの工夫で99.5%になる・・・・それほど難しいことではなさそうです(下図)。


しかしどうやって? 誰でもできる簡単な方法があります。飲み水を少し変えるのです。すると脳髄液のふるまいが少し変化します。簡単な方法で、リスクはまったくありません。しかし自然界でずっと99%だったものを、99.5%にしようというのですから、自然そのままでは出来ません。新しい科学的工夫があります。その方法を今年の5月からご紹介して、現在この考えに賛同して下記の123名の方々が、1年間無料トライアルを実践中です。すでに好結果が出つつあります。

結果の算出方法はシンプルです。たとえば平均して1年に1回発作が起きていた人々が1000人集まってこの方法を実践したとします。このグループでの発作回数は1年間で全部で1000回だったわけです。それが500回、あるいはもっと減るのではないか、それをアンケートで調べます。みなさんもご参加ください。次章「脳帯電を防ぐ方法」が最終章です。だいぶ長くなりましたのでページを変えます↓。

第6章 脳帯電を防ぐ方法  ←ここをクリック

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