磁気水で食品加工の時間を短縮 

2010.07.20の記事
2003年に北海道大学の農学部から以下の論文が出ている。
東京ビッグサイトでの食品工業展示会でのセミナーで発表されたものである。


魔法の水ではない!!とは不思議な表現だが、磁気処理水の効果は、だまされているのではなく、マユツバでもなく、実在していることを強調したいのだろう。磁気処理水などインチキだ、という「ニセ科学者」からの攻撃が始まった頃だったので、まじめに研究した結果として、こういう強い表現になったのではないか。
結論として、食品加工の時間が短くなるとしている。これは我々の体験と完全に一致している。我々の体験でも、大豆を煮る時間が短縮され、労働費や燃料費が著しく軽減された例がある。スパゲティやうどんなどのゆで時間も短縮されている。

実験装置は以下のようなものである。


著者らは、磁力は水に対して電磁誘導的な作用をすると考えていて、私は必ずしもそうではないと考えているのだが、いずれにせよ、流量を変えたという記述が無いので、実験を通じて流量(流速)は一定だったと思われ、そうであればウェーバーという単位を考えなくても、磁力による変化の相対的な関係は循環回数だけで議論できる。実際、グラフでは循環回数とウェーバーはリニアーに対応している。それに起電力Vには流速がファクターとして入っているはずで、通過時間 s は流速の逆数だから、実際には、V x s から 分母分子で s は消えているはすである。
磁気の間を水が1回だけ通過する形式、すなわちふつうの家庭用の磁気活水器では、流れ方向の磁石の大きさ(長さ)が、上述のウエーバーと対応している。磁石の数あるいは長さを倍にすれば、水はそこを通過するのに倍の時間がかかり、ウェーバーも倍になるという関係である。つまり磁石の強さ(磁束密度)と大きさの積だけで議論できる。

磁束が増すほど水の表面張力が下がる、というのが北大の結論である。著者らは、水の水素結合の力が弱くなったのではないかと、推測している。

磁束0でも差があるのは、何によるのだろうか?我々が3年前に大阪市立工業試験所でやった計測では、表面張力は0.73から0.72の間で変動して、試験所の担当者の判定は、「誤差の範囲なので変化はない」という結論だった。
この実験設備から見ると、0点でも少なくとも1回は磁石の間を通っていると思われる。もしそうであればそれは我々が市立工業試験所でやった実験と同じである。通常はこの程度の差は誤差の範囲と判定されるということだが、もしかしたら意味のある差が測定されているのかも知れない。

図6は、磁気処理水を70度Cに加熱してお茶の出方を比べたものである。磁気処理の度合いが強いほど抽出力が強くなることが分かる。

30分ほどで抽出は飽和している(終わっている)。これ以上いくら時間をかけても、抽出量は増えないし、磁気処理による抽出量の差も縮まることがなさそうである。これは重要な事実で、磁気処理による水の変化が「水の構造」に関わる変化であることを示している。すなわち、磁気処理水は、無処理水が届かないところまでお茶の葉の中に浸透して、そこから茶の成分を引き出しているのではないか。下図のような現象が起こっていると考えられる。すなわち、

①無処理水(0.0)は葉の第1層まで浸透して茶の成分を引き出してくる。
②0.4ウェーバーの磁束を浴びた水は第2層まで浸透して茶の成分を引き出してくる。
③0.8ウェーバーの磁束を浴びた水は第3層まで浸透して茶の成分を引き出してくる。

こういうことが起こっているようである。なぜこうなるのか。そこに「クラスター仮説」が登場する余地がある。クラスター仮説とは、水分子は塊(クラスター)を形成しているという仮説である。理化学研究所の「水の中には構造がある」という研究も、クラスター仮説のひとつである。そのクラスターが小さくなることで、葉の深層まで浸透できるようになる、と考えると理解しやすいということである。

この論文の結論は、食品加工時間を短縮できるということで、それはそれで大きなメリットだが、ふつうの水では抽出できないものまで抽出できるということは、さまざまな分野でもっと大きなメリットが得られる可能性がある。

我々が日常的に体験しているのは、ダシの材料が減らせるということである。図6のグラフを見ても、軽く、5割とか6割とかダシの材料が減らせそうである。これが全国のうどん屋やラーメン屋で起きればかなりのことになる。
また、磁気活水で入浴していると肌の状態が良くなたり、薬を飲んでいる人やタバコを吸っている人が磁気活水で入浴すると、湯が濁ったり浴室に臭いが立ちこめたりすることも日常的である。汗腺や毛穴のちょっと奥まで水が届いて老廃物を引き出すのではないかと思われる。

 

 

 

                               理 論
磁気活水の原理
磁気活水の性質
科学論文集
      1.カルシウムの結晶型が変わる ダブリン大学
      2.磁極の向きと藻の発生量 山形大学工学部
      3.りん脱酸銅の腐食への磁気処理水効果 信州大学
      4.磁気水で食品加工時間を短縮 北海道大学
      5.磁気活水の有用性が確認された 日本磁気科学会
      6.水には構造がある 理化学研究所

 

 

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