脳の健康を守る脳髄液の流れ

脳で発生する老廃物は脳髄液の流れで除去される。脳髄液の流れが悪いと老廃物が溜まり、うつ、片頭痛、認知症、てんかん、など、いろいろな脳の不調が起きてくる。脳髄液は脳の健康を守る重要なインフラ=上下水道なのである。
脳髄液の流れを良くして、脳の老廃物をきちんと除去すれば、脳の不調は良くなる。脳髄液の流れを良くする簡単な方法を紹介する。

水槽の中の金魚を見てみよう。

金魚を健康に保つには、光と熱と酸素と栄養が必要である。また、水を濾過して排泄物を除去することも必要である。それらの条件が満たされれば金魚たちは寿命まで元気でいられる。
金魚たちの元気がなくなってきたら、上記の条件が満たされているかどうかを調べる。その中でも、老廃物の除去がきちんと行われているかどうかが重要である。

脳細胞も水槽の中の金魚と同じである。光と熱と酸素と栄養が供給され、老廃物が適切に除去されれば、脳細胞は寿命まで元気でいられる。重要なポイントは脳で発生する老廃物の除去が、きちんと行われているかどうかである。老廃物が溜まって水が濁ってくると金魚は元気がなくなる。

脳髄液の循環が重要である
脳も、老廃物の除去がうまく行かなくなると、うつ、片頭痛、認知症、てんかん、などの不調が起きる。脳の老廃物は脳髄液の流れで除去されているので、脳髄液の流れが悪くなれば、脳は不調になる。

このことは、非西洋的医療である、整体、整骨、鍼灸、カイロ、ヨガ、瞑想、呼吸法などの施術者たちはよく知っていて、脳髄液の循環を改善する施術や体操、マッサージなどを指導して成果を上げている。ところが現代西洋医学の医療者たちは、このことを全く知らない。

脳髄液循環の原動力=蝶形骨

脳髄液は脳の中央部にある脳室というところで血液から作られて、脳内に湧き出して、脳脊髄全体(頭から腰まで)をめぐって、最後は頭頂部の静脈に吸収される。

何がこの流れを生み出しているのか。それは頭蓋骨と仙骨の微妙な動きである。頭蓋骨は20以上のパーツが組み合わさっていて、生まれた時はフニャフニャだが、成長するにつれて固まってくる。しかし固まってからも、個々のパーツは微妙に動くようになっていて、それが呼吸などの動きにつれてゆっくり動く。その動きによって脳髄液はゆっくりと脳脊髄の中を動くのである。腰骨あたりまで流れて来た脳髄液は、骨盤部にある仙骨という骨の動きで頭部に戻される。
頭蓋内で脳髄液を動かすのに重要な骨は蝶形骨である。蝶形骨は頭蓋の中央部にあって、正面から見ると蝶の形をしている。これが微妙にゆらゆらと動くことで脳髄液の流れが生まれる。

脳髄液の流れを良くする方法がある。それは以下の4つである。

脳髄液の流れを良くする方法 ① 手技
脳髄液の流れを良くする方法 ② 眠る
脳髄液の流れを良くする方法 ③ 笑う
脳髄液の流れを良くする方法 ④ 磁気活水を飲む

以下順番に紹介する。

脳髄液の流れを良くする方法 ① 手技

非西洋医学の施術者たちは、脳髄液の循環の重要性を認識しており、多くの書籍やホームページ、動画で情報発信している。大阪の「のむら整骨院」の野村晃生氏は、自律神経失調症の改善を施術していて、たくさんの動画をアップしている。その1つに「脳内洗浄」というプログラムがあって、手技と呼吸と意識の集中で、蝶形骨の動きを良くして脳髄液の循環を促進し、脳内の老廃物を取り去る方法を指導している。

金沢の自律神経専門整体師中山賢一氏も、脳のオーバーヒートが自律神経失調を起こすとして、脳を冷やす方法を指導している。その中で、笑顔を作ることの重要性を力説している。笑う余裕がなくても、口角を上げて笑顔を作ることが、脳をリラックスさせると言っている。

愛知県豊田市のTEN整体院の伊藤哲氏も脳髄液の循環の重要性を説き、循環をよくする手技を動画で指導している。

東京大田区の宮野治療院の宮野博隆氏は50年来、脳脊髄液調整法という施術を広めており、氏の下で多くの整体師が育っている。

他にもたくさんある。このように非西洋医学では、脳髄液の重要性は広く認識されており、脳脊髄液の循環を改善する手法にも多くの流派がある。ところが現代西洋医学はこのことを全く知らない。そもそも「脳髄液の流れ」という概念が、現代西洋医学には存在しないのである。

これに対して先に紹介した国立がん研究センターのサイトは次のようになっている。

脳髄液の流れを良くする方法 ② 眠る

上図は2013年に米国の科学誌サイエンスに発表された論文である。
この研究で、脳細胞は睡眠中に少し縮んで、脳の中にスキマが出来て、そのスキマに脳髄液が入り込んで、脳で発生した老廃物を持ち去る、という循環があることが分かった。

上図は、睡眠中に個々の脳細胞が縮んで、脳髄液が脳細胞のスキマを流れることのイメージ図である。この研究が関心を持っていた老廃物は、アルツハイマー型認知症を引き起こすアミロイドベータという物質だったが、とにかく昼行性の動物(人間など)は、昼間活動していると脳で老廃物が発生し、それが夜に睡眠している間に、脳髄液によって除去される、というメカニズムが発見されたのである。
老廃物を除去するために大切なのは、脳髄液が脳のすきまに十分に入り込むことで、そのためにはしっかり睡眠を取る必要がある。人も犬も猫も鳥も羊も池の鯉も、眠らなければならない。眠らないと老廃物が溜まって脳が働かなくなるのである。人間の脳内では、昼間はセロトニンという物質が分泌されて活動が促され、夜になると自然にそれがメラトニンという物質に変化して、睡眠が促される。これは昼行性動物の自然のリズムであり、体内時計がそのようにセットされている。このリズムから逸脱していると、脳が不調になるのである。
最近は脳髄液の重要性についての科学研究が進んでいて、講談社ブルーバックスから下図のような本も出ている。

睡眠はバックヤードである

睡眠時に、脳は、何もしないでじっと休んでいるのではなく、昼間とは別の大事な仕事をしている。脳で発生した老廃物を除去したり、記憶を整理し定着させたりしている。
店舗などで、売場ではない場所をバックヤードという。小売店の商品庫や、飲食店の厨房である。コンビニの売場は24時間明るく忙しく活動しているが、それはバックヤードの活動に支えられている。

人間の、覚醒時の活動と睡眠時の脳の活動との関係は、売場とバックヤードとの関係に似ている。心身の健康を維持するためにバックヤードは重要である。睡眠時間の長さも重要だが、脳が夜の仕事を出来ているかどうか、睡眠の質もきわめて重要である。片頭痛は、脳内で「痛み物質」が出て、それが痛覚に届くことで起きる。だから、睡眠の質を良くして脳髄液の流れを良くして、「痛み物質」を除去出来れば、片頭痛は起こらなくなるのである。
うつ病についても、ユーチューブで体験を語っている人たちの多くに見られるのは、睡眠の時間が不規則なことである。夜遅くまでスマホでゲームをしていたり、昼間も暗い部屋でだらだらと寝続けたりしている。脳が疲れているのである。脳の疲れがとれないのは、寝ている間も、過去の悔恨や未来の不安をずっと考え続けてしまい、脳が少しも休まっていないからである。ただ寝ているだけでは脳はリフレッシュしない。バックヤードの作業がきちんと成されなければならないのである。
飲酒はNO
大阪の「のむら整骨院」の野村氏は、「自律神経を整える5つの条件」という最新の動画で、「寝る前に酒を飲むと良く眠れる」という考えは間違いだと指摘している。酒を飲んで眠っている時の脳波は、軽い麻酔をかけられている時の脳波と同じだとのことである(動画の37分あたり)。たしかに酒を飲むと眠くなる。しかし眠れたつもりでも、 脳は麻酔で停止しているだけである。それは睡眠ではなく昏睡である。睡眠薬で良く眠れた、というのも同じだろう。昏睡状態では、脳はバックヤードの仕事が出来ないのである。

ちなみにこの動画で野村氏は、5つの条件として、言葉、睡眠、アルコール、食事、血液循環を上げている。すぐれた解説なので一見をお奨めする。
また、ユーチューブで「Takuzoooの朝の会」を発信しているタクゾー氏は、ご自身がうつ病の治療を受けている。その最新動画でタクゾー氏は、うつを治すには飲酒はやめろ、と力説している。彼はうつを発症する直前、連日大量の飲酒をしていたそうで、それは労働現場で精神的なプレッシャーがあったためのようだが、そこで突然うつを発症したのである。おそらく脳のバックヤード機能が低下して、脳が回復できなくなったのだろう。

脳が不調ではないなら、適量の飲酒は人生の楽しみとしてあってよいだろうが、脳が不調で回復を目指している時は、飲酒は極力避けるべきである。昏睡状態では、脳はバックヤードの仕事ができないのである。

脳髄液の流れを良くする方法 ③ 笑う
頭蓋骨の構造から考えると、口を動かせば蝶形骨も動きそうである。接客のセミナーなどで、笑顔が大切だと指導される。笑う気分でなくても、無理にでも口角を上げると良いと言われる。口角を上げると蝶形骨が動いて、脳髄液が流れて精神が安定し、接客もうまく行くのである。
乳児も笑う。下図は「柴犬きなこと道産子夫婦」という動画で、赤ちゃんが柴犬の動作を見てキャッキャと笑っている。

なぜ乳児が笑うのか。笑顔は、相手に対する敵意のないことを示す。だから乳児も、周囲を味方にするために笑うのだ、という説もある。しかし元々、脳を成長させるために、脳髄液を循環させる必要があり、蝶形骨を動かす必要があって、乳児も笑うのだと考えられる。

認知症やうつ病になると、精神的に不活発になって笑顔が失われる。しかしこれは逆に、笑顔が失われることで蝶形骨が動かなくなり、脳髄液の循環が悪くなって、認知症やうつがひどくなるという、因果関係もありそうである。うつになる人は真面目な人が多い、と言われるが、もともと四角四面な人は、あまり笑うこともなく蝶形骨の動きが悪いのではないか。若い頃から冗談を言ったりしてよく笑う人は、認知症にもなりにくそうである。笑うと脳内で幸福物質と言われる、セロトニン、ドーパミン、オキシトシン、が分泌されると言われているが、これは笑うことで蝶形骨が動いて脳髄液の流れが良くなり、脳内の老廃物が除去されて、幸福物質が分泌されやすくなる、という順番なのではないか。重い病気から回復するのに笑いが有効だということもある。いずれも蝶形骨が動いて脳髄液がよく流れ、脳が安定すると考えられる。
人類史的に考察すれば、人類の、他の高等動物にはない大きな特徴は、笑うことである。笑顔を作る表情筋が発達している。だから笑える。他の高等動物は笑わない。笑顔を作る表情筋がないからである。大脳が発達した人類では、脳を正常に作動させるために脳髄液を循環させることが、他の動物たちより重要で、そのためには蝶形骨を動かす必要があり、蝶形骨を動かすための表情筋が発達したのではないか。人類は直立歩行するようになって、手の指の動きが発達し、それが脳を発達させ、火が扱えるようになり、声帯も変化して言語が扱えるようになる、などの段階を踏んで文明を発展させてきた。表情が豊になったことも変化の一つであり、笑顔が、敵意の無いことを示す全人類共通の風習として定着したことも、人類社会が発展する道程だったと考えられる。笑うことが脳に良いのは単なる精神論ではなく、笑う→蝶形骨が動く→脳髄液が流れる→脳が活性化する、というメカニズムがあると思われる。

脳髄液の流れを良くする方法 ④ 磁気活水を飲む

磁気活水とは何か
磁石の間を通した水を磁気活水と呼んでいる。水が磁石と触れることはなく、水の成分は変わらず、水が磁化するわけではないが、水の性質が変わり、少し活性化する。

通す水は、水道水でも、井戸水や湧き水でも、ペットボトルの水でもかまわない。起きた変化は3~4週間ほど持続する。
磁気活水の性質 細い隙間に入りやすい
2003年の北海道大学の研究で、磁気活水は表面張力が下がっていることが分かっている。

表面張力とは、別の言葉では分子間引力と言う。コップに水を張ると表面が弓なりに盛り上がる。これは、水の分子同士が引き合うからである。このことから分子間引力のことを表面張力ともいう。表面張力が強いと、水滴は葉の上で盛り上がる。表面張力が弱まると水滴は葉にペタッとくっつく。水の分子間引力が弱まり、水と葉との間の引力が相対的に強まるからである。

水の表面張力が弱くなると、水は細い管の内壁をつたって進みやすくなり、毛細管現象が起きやすくなる。たとえば、植物は水を吸いやすくなるので、下の写真のように小松菜がシャキッとする。植栽や切り花も元気になる。抽出力が強まるのでお茶やコーヒーがおいしくなり、米粒内への水の浸透が強まるので、ごはんもふっくら炊ける。

磁気活水は磁気を帯びているわけではないが、自然の水ではない。磁気そのものは自然のパワーだが、磁気を集めて磁石を作り、それを水に当てたことは人為である。地球上の生命体は、地球に自然にある水を利用して生きることを前提として、進化してきた。しかしそのことから、地球に自然にある水が、地球の生命体にとって最高の水である、とは限らない。もっと良い水があってもおかしくはない。磁気活水は地球上の多くの生命体にとって、自然水より良い水である可能性がある。中国古来の医学書に、磁気を通した水は健康に良いと記述されている。磁気活水に肌で触れて、一口飲んで、これは自分の健康に良い水だと直感する人も、たくさんいる。磁気活水に比肩される自然水は、フランスのピレネー山脈のルルドで湧く聖水ではないか。その水を飲んだ人に奇跡がたくさん起きるので、現在も巡礼者で賑わっている。ピレネー山脈には磁鉄鉱の大きな鉱脈がある。
磁気活水をいつも飲んでいれば、脳髄液の表面張力が少し下がって流動性が良くなり、脳の老廃物が効率的に除去できるようになると考えられる。

以上のことから、脳髄液循環の改善①②③④を同時に実践することが、原因不明な脳の不調を改善するのに役立つと考えられる。①②③は自分でできる。④は道具が必要である。当社では自宅で磁気活水を簡単に作れる道具「マイルドシャワー」を、ご希望の方に1年間無料でレンタルしている。